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F組三国志 4-1 [F組三国志 4 山影静]

「あらっ、静、今日はスケッチブックとか持ってくの?」
「うん、遠足だから。」
「まぁ、今日は良いけど勉強はしっかりしてね。」
「はい、いってきま~す。」

母の話しは、私を憂鬱にしてくれることが多い。
よく出てくるのは、山影家の長女なんだから、という言葉。
兄か弟がいたら、もっと自由で、ずいぶん違ったんだと思う。
妹は学校の成績もいまいちだから…。
でも、まぁ今日は遠足。

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遠足だから、いや、スケッチとか考えてたから…、無駄に荷物が増えてしまった気もする。

「山影さん、荷物多いね、持ってあげようか。」
うん? 彼は…、岡崎だったか?
「あ、ありがとう。」

「ぼ、ぼくも持ってあげるよ。」
え~と…、星屋だったかな…。

「でも自分で持つ分がなくなるから…。」
「学校まで大変だったんじゃない? 気にせずに楽しなよ。」
「あらっ、お二人って意外と紳士なのね、じゃあ、はい。」
「はい、って? 斉藤さん?」
「私のは持ってくれないの?」
「斉藤さんに、その荷物は小さすぎないか?」
「そうかな、乙女の私にとっては充分重いんだけどさ。」
「う~ん、斉藤さんに言われても、説得力がいまいちなんだけど。」
「どうして、山影さんと私じゃ…?」
「えっと…。」

「ごめん、待った?」
あっ、赤澤さんだ。

「打ち合わせは済んだんだね。」
「ああ、こっからは五人で行動するからね。」
「でもさ、同じとこへ行く訳だから、みんな一緒でも良かったんじゃない? 地下鉄で行くんだし。」
「斉藤さん、それも悪くは無いんだけどね、班員同士が語り合える時間があっても良いと思ったんだ。
向こうでの企画も考えた上でね。」
「ふ~ん、色々考えてんのか…、でもね、この二人、私の荷物、持ってくんないのよ。」
「えっ? その荷物? 俺、持とうか?」
「いいの? ラッキー。」

赤澤さんは大人だ。
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