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F組三国志 3-4 [F組三国志 3 河西哲平]

「哲平くん、こっちこっち。」
「加藤さん、そんなにあわてなくても…。」
「へへ、あら、だめだめ、同じ班になったんだから朋美って呼んでくれなきゃ。」
「はいはい。」
「朋美、はしゃぎすぎよ。」
「ふふ、そういう榛香だってさ~。」

「はは、でも何か新鮮な感じだね。
高校の遠足ってどんなものかと思ったけどさ。」
「露木、女の子たちは所詮、哲平のファンなんだぞ。」
「あらっ、そうばかりでもなくってよ。」
「えっ?」
「う~ん、話しの途中で申し訳ないっていうか、俺も続きを聞きたいが、ペンギンの前で奥田さんたちが待ってるからね。」
「あ、ああ。」

ふふ、北村は纐纈榛香の視線を感じてなかったのか、鈍い奴だな。
まあ俺にできることは同じ班に入れてやるとこまでだから…。
さてと、企画を仕切るか。

「奥田さん、お待たせ。」
「私たちも着いたばかりよ、みんなペンギンに夢中になってるけど。」
「ははは。」
「そっちはどう?」
「加藤さんは、はしゃぎすぎ、北村は鈍いってことが分かった。」
「なあにそれ?」
「まあまあ、それよかって、あっ、我が班の連中もペンギンに夢中か。」
「動物園って久しぶりだから、みんな小学生の頃の気分に帰ったってことかな…。」
「…、適度にみんなで会話してるみたいだから、俺たちが特に動く必要もなさそうだ。」
「うん、でもさこうしてると保護者になった気分。」
「はは、じゃあ、俺たちも混ざるか…。」

そろそろ時間だな。

「お~い、みんな、次行くぞ~。」
「は~い。」
「次は?」
「俺たちは、ゾウの所で淳一の班と、奥田さんたちは?」
「アムールトラの前で美咲たちと、班長はあやかなんだけどね。」
「そっか、じゃあ後でな。」
「ふふ、後でね。」

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淳一の班、谷口さんの班と順調に終わったな。
次は井原亜衣の班か。
秋山さんのグループでも俺たちのグループでもないから…、どうなるのか?
そういえば、この企画に参加しなかった森たちはどうしてるんだろう、先生がくっ付いていくとか言ってたけど…。
おっ、いたいた。

「お~い、こっちよ~。」
「はは、井原さんも、楽しそうだな。」
「へへ、まあね。」
「ねえ、哲平くん。」
「うん。」
「今回のこの企画ってやっぱり赤澤くんの発案なの?」
「ああ、そうだよ。」
「やっぱりな、ちょっとしたことだけど面白いなって。」
「どんなとこが?」
「ほら、学校と全然違うとこでさ、クラスメートとの出会いがあってさ。」
「そして、別れが。」
「北村は黙ってなって。」
「私、今までちょっとクラスに溶け込めてないっていうかさ、意地悪なこともしちゃったりしてたんだけどさ、今日は五人ずつがさ、学校と違ってなんか気軽に出会って話せてさ。」
「それが省吾の狙いだったのさ。
話題に困ったら目の前の動物をネタにふればいいからって言われてたけど、実際には特に気を使う必要もなくてね。
君たちで四つ目のグループだけど、クラスのみんなをぐっと身近に感じているよ。」
「私も。」
「そう言えば省吾たちのグループとは?」
「まだよ。」
「そっか、俺たちはこの次なんだけど…。」
「赤澤くん、ずいぶん個性的な人たちを集めたわよね。」
「ああ、少し怖い気もするんだが。」
「何が起こるか楽しみだったりして。」
「はは。」
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