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権じい学園にて-8 [権じいの村-SPO-01]

「安雄くん、おななかすいた~。」
「うん、良太、もう少し待ってな、もうすぐ香織さんが来てくれると思うからさ。」
「うん。」

「香織さん?」
「うん、山中さん達もお昼ご飯頼んだんでしょ? お店にさ。」
「ああ、そう言えば届けてくれることになってたけど…。
三次郎さんちの近くね、とか言って済んじゃったけど、ここ解るのかな?」
「香織さんなら大丈夫さ、祥司も一緒に来ると思うし。
ほら見えてきた。」
「なかなかおしゃれな車だな。」
「でしょ、真紀姉ちゃんの絵が採用されたんだ。
翔くんのも良かったんだけど、この村にはあのデザインの方が良いって。」
「なるほど。」

「みんなお待たせ。」
「わ~い、お弁当、お弁当! 香織さん、早く早く!」
「あら、ちょっと待ってて。」
「こらこら、慌てちゃだめよ、皆、手を洗ってきて、タオルはここにあるからね。」
「はは、こういう時は綾香ちゃんが仕切る訳か。」
「うん、綾香は小っちゃい子の面倒も良くみてくれるんだ。」

「えっと、みずぐるまプロジェクトの人たちね、はい、お弁当。」
「有難うございます。」
「どう、作業は?」
「子どもたちにも手伝ってもらって順調です。」
「ふふ、みんなもがんぱってんだ。」
「ぼくもお手伝いしたんだよ。」
「そうか、勇くんえらいぞ。」
「へへ。」

「安雄、はい、トランシーバー。」
「さんきゅ~。」
「もうすぐ、峻兄ちゃんも自転車で来るよ。」
「峻兄ちゃん忙しいと思うけど大丈夫なのかな?」
「なんかここのお兄ちゃんたちとも相談したいことがあったっんだって。」
「そっか、ならいっか。」
「峻兄ちゃんって?」
「あっ、清水さん、峻兄ちゃんは学園の一番上のお兄ちゃんなんだ。
色々なことを教えてくれる…。」
「安雄はお母さんの言うことは聞かなくても、峻兄ちゃんのことは聞くもんね。」
「綾香、余計なこと言わなくて良いよ。
そう言う、綾香だってさ。」
「あ~、内緒内緒。」
「はは綾香ちゃん、お顔が真っ赤だよ。」
「あ~、高くんたち、また喧嘩してる、いかなきゃ。」
「あっ、逃げたな…。」
「はは、君達ってみんな仲良いんだね。」
「え~、そうでもないけど…、喧嘩もするし。」

「あ~! 峻兄ちゃんだ!」
「ほんどだ! わ~い、峻兄ちゃ~ん!」

「彼が峻兄ちゃんか、あっという間に子ども達に囲まれちゃったな。」
「峻兄ちゃんはここでの色々なことに関係してるから忙しいんだ、でも時間を作って小っちゃい子たちとも遊んでくれるんだ。」
「へ~、じゃあ俺達にも紹介してくれるかな。」
「もちろんさ。
ちょっと待っててね…。
お~いみんな、峻兄ちゃんは、こっちのお兄さんたちとお話しがあるからね。
綾香、頼むな~。」
「おっけ~。
さあ、みんな、ご飯途中でしょ。」

「おっ、安雄、有難うな、助かったよ。」
「へへ。」
「こんにちは、みずぐるまプロジェクトの人ですね。
自分は権じい学園の池上峻です。
よろしくお願いします。」
「こちらこそ、プロジェクトリーダーの佐藤和夫です。
今日は子ども達が手伝ってくれて…、みんな仲、良いですね。」
「ええ、がき大将グループを作ることが権じい学園の大きな目標でもありましたから。」
「はは、安雄くんががき大将ってことか。」
「ええ、でもそれだけじゃないんです。
安雄達とはリーダー論の研究もしています。
リーダーの役割とか、どういう場面ではどう行動すべきか。」
「なるほど、ただのがきじゃない訳だ。」
「ここでの経験を将来生かして欲しいと思っています。」
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