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夢プロジェクト-2 [権じいの村-11]

「ところで、最近の市長選、県知事選では無所属という形が多いですが、今回は政治団体宇宙の所属として出られましたね、その辺りのことをお聞かせ願えますか?」
「はい、宇宙は出来て間もない団体ですが、そうですね…、この件に関しては、代表の白川からでもよろしいですか?」
「は、はい、そうですね、紹介が遅れました、宇宙、代表の白川慶次先生です。」
「こんにちは白川慶次です。」
「先生、でよろしいのですよね。」
「はは、そうですね、大学の方での講義とかは中断していますが、籍は残っています。
学長から、失敗したら、その経験も研究対象にすればいいから、と暖かいお言葉も頂いていまして。」
「新しく結成された政治団体の概要をお話し願えますか?」
「はい、時間はどれ程よろしいですか? 
時間を切っていただかないと、ずっと話し続けてしまいますから…、途中で切れるのもなんですし…。」
「そうですね…、五分程度でお願いします。」
「はい、それではまず目的からお話ししましょう。
まず我々の目的は政党としての要件を満たし且つ政権を握ることです。
この瞬間、無理だと思った多くの方々に、一つお話ししておきたいことがあります。
現時点で日本中の学生が会員に、そうですね、一つの大学での人数はまだそれ程多くはないかもしれません。
でも、学生中心に会員数は日に日に増え続けています。
また、この市ではすでに一万人を越す方が会員になって下さっています。
今回、高柳が当選したことによって、さらに増え続けることは間違いないでしょう。
なぜ増えるのか、それはこの国の政治に不満を抱いている人、魅力を感じていない人が少なくないからです。
でも、この話しを聞いても、政権政党になるなんて無理だろうと思われる方がほとんどだと思います。

では、本当に無理でしょうか。
我々は大学の力の結集という裏技を使いましたが、過疎の村を、ずいぶん賑やかな村にすることに成功しました。
そして、今、高柳の当選によってこの市も、震災からの復興というレベルでなく、さらに発展していくと思っています。
市民運動の形でもっと活気あふれる市にしようという機運が盛り上がっていますから。
そして、ここの活動は周辺の市町村へも広がりつつあります。
すでに、県政の建て直しというレベルでも色々な計画が進められています。
他県の大学でも、この市の取り組みを参考に行政のバックアップという運動が広がりつつあります。
学生だけが動く訳では有りませんが、第二の学生運動という感じになってきているのです。
今まで、若者は大人が作ったシステムを受け入れて社会人となって来ました。
でも、それだけで本当に良いのか? 
問題の多い今の社会構造を受け入れて継承していくだけで良いのか? 
自分達の国を自分達の手で世界に誇れる国にしてみないか?
今のままでは老いた国になってしまわないか?
といった呼びかけに応じてくれた学生が少なからずいる訳です。

国会議員が一人も居ない状態から、政権を担う政党にするなんて、馬鹿げていると思う人も多いでしょう。
でも夢を持っても良いじゃないですか、我々はこの国がもっと明るい、夢の持てる国になったらいいなということで、夢プロジェクトとも呼んでいます。
愛国心を語る政治家もいます、しかし、夢も持てないこの国で愛国心なんて押し付けられても迷惑な話です。
我々は自分達が愛せる国にして行きたいと思っているのです。
そんな夢プロジェクトなのです。

さて、誰が首相に相応しいかというアンケート調査で、他に適当な人がいないから、という理由を挙げる人が少なからずいるのが現実です。
我々の仕事はまず力のある、魅力有る人の発掘です。
本当にこの国の為になるという考えを、党利党略抜きで語れる人、高柳の様に多くの人に尊敬される人物を仲間にしていきたいと思っています。
そんな中から党首を選び、国会議員候補を選んで行きます。
でも、人それぞれな訳ですから魅力的な人物でも、皆考えが同じということは有り得ません。
そこで派閥というか、グループが出来ても良いと考えています。
国のため、国民のためという視点を持って、グループ同士が討論することも有るでしょう。
意見が分かれることも有るでしょう。
でも目的が同じなら、妥協点を見出すことは可能ではないでしょうか。
同じ政治団体内のことですから、党利党略なんて考える必要も有りません。
視点を常にこの国の為、この国に住む人の為と考えて下さる方の参加をお待ちしています。

それから…。」
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