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胎動-10 [権じいの村-10]

「おう雄介じゃないか、どこへ行くんだ?」
「おっ、恭二、久しぶりだな、今から投票にいくとこさ。」
「あっ、市長選か、でもさ、もう決まったようなんじゃないのか?」
「高柳氏にだろ、でもな、それでも俺は応援するって意思を現したいんだ。
投票率低くて当選するのとは違うとは思わないか?」
「う~ん、そういう考えもあったか…。」
「俺はな高柳氏の政治団体、宇宙にも入ったんだ、いや高柳氏のというのは正確じゃないけどな。」
「何なんだ、それ。」
「俺的には政治をあきらめるなってことかな。」
「えっ?」
「俺さ、今の政治にうんざりしてたんだ、っていうかあきらめていた。」
「うん。」
「国会議員、大臣? 何やってんだ、て感じでさ、でも俺には何もできないじゃないか。」
「そうだよな、ここで批判してたって何も動かない変わらない…。」
「でも、本当に変えられないのかって問いかけがあった、白川先生からね。」
「白川先生って…、あっ、権じいの村プロジェクトのリーダーか?」
「ああ、先生がね、かなりの裏技を使いましたが過疎の村をずいぶん賑やかにすることができました。
そして、高柳さんを中心としてこの市もより魅力あふれる市となって行くでしょう、なんて話をされてね。」
「うん。」
「でね、白川先生はこの国を変えるつもりなんだ、俺はそのお考えに乗ることにした。」
「国を変える? そんなこと無理だろ。」
「無理かもしれない、けど…、白川先生は、このままではこの国は老いた国になってしまう、でも俺たち挑戦者の姿が国民の励ましにならないだろうか、失敗するかもしれない、でも我々の気持ちを国民に伝えたいってさ。」
「う~ん…、ちょっと怪しげな気もするけどな…。」
「はは、白川先生のバックにどれだけの大学関係者がいるか知らないのか?」
「結構いるのか?」
「権じいの村プロジェクトなんて簡単にできることじゃないんだぞ…。
確かにお前の言う通り怪しげかもしれないけど、プロジェクト関係者と話してると、皆から、白川先生や高柳さんに対して尊敬という言葉が出てくるからな。
昨日出会ったおじさんからもね。」
「でも夢のような話しだな。」
「ああ、だから夢プロジェクトさ。」
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