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胎動-9 [権じいの村-10]

「無所属で立候補じゃないんですか?」
「まあ、強力な対立候補が立つなら、その方が無難なんだけど。」
「高柳さん、なんか余裕ですね。」
「はは、結構どきどきしてるよ、だけどここで我らが新政治団体、宇宙のことが宣伝できたら、それに越したことはないだろ、真一くん。」
「所属と言っても、所謂政党ではないんですよね。」
「うん、政党としての条件を満たしていないからな、まあ、肩書きには権じいの村村民とかも付けるつもりだけどね。」
「現時点での立候補予定者には勝てると思ってるから、肩書きなんてどうでもいいんだけどね。」
「強気ですね。」
「ニュース番組の影響力は大きいと思うんだ、現時点で私たち以外の動きが報じられることはないからね。」
「市内の主だった団体は我々についてくれたから…、でもあまり簡単すぎるのも拍子抜けしそうで…、次のことを考えるともっと盛り上げたいところですけど。」
「そっちの方は学生たちが企画してる祭りで充分じゃないのかな。」
「地震復興の一区切りと高柳さんの当選祝い。」
「そんな企画、落選したらと思うと胃が痛くなるけどな。」
「はは、確かにそうですよね…、そうそう明日は奥さんも?」
「ああ、あいつの方がびびってるよ、市長候補の妻なんて自分でいいのかって。」
「そうなんですか、でも良かったですね、経済的な理由で離れて暮らしてみえたのが…、奥さん、田舎暮らしは大丈夫なんですか?」
「田舎と言っても市長となれば下で暮らすことになるし…、あいつ権現村のこと気に入ってたんだけどね。」
「ちょっと安心しました、それなら明日の告示を待つだけですね。」
「そうだな、でも本当に大変なのはこれからだから…。」
「大丈夫ですって、みんなで支えますから。」
「頼むよ…、そうそう慶次さんから聞いたけど、真一くんと久美ちゃんはプロジェクトから離れるんだって?」
「今までやってたことは全部色々な人に引き継いでもらって、今後は慶次さんの秘書に専念することになります、ですからから全くプロジェクトから離れる訳ではありません。
あっ、高柳さんの秘書は?」
「う~ん、そうだな、必要になるのかどうか…、市長になれたら市の職員と相談かな?」
「さすがに極秘情報も多くなるでしょうから、学生の体験とはいかないでしょうからね。」
「はは、でも極力、公開できない情報の少ない市政をして行きたいと思っているけど。」
「そうか、そうしてれば不正もできないか…。」
「だろ、今は真面目に真剣に市政を考えていても…、今までの人たちのことを考えたら。」
「高柳さんなら大丈夫だと思っていますけど。」
「はは、当たり前だよ、でね真一くん、ちょっと儲かる話しがあってね、ここだけの話し。」
「ははは。」
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