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学校設立-7 [権じいの村-8]

「みなさん、おはようございます。」
「おはようございます。」
「説明会を始めるまで、まだ少し時間があります。
この会場にいる人たちは来年の四月から同じ学校で学ぶ仲間です。
開始までの時間を使ってお互い自己紹介とかしていてくれるとうれしいのですがどうでしょうか。」

「ここは上級生の方から声をかけてあげた方がいいよな。」
「ああ。」

「はじめまして、高校二年生の池上です。」
「はい、中学二年生の小栗です。」
「小栗くんは、この学校のこと、どう思ってるの。」
「なんか、よく解っていません。
父さんが村に学校ができるから、おじいちゃんちへ帰ろうって。」
「そうか、じゃあ村のことは俺より詳しいのかな。」
「毎年夏休みはおじいちゃんちへ行ってるから…、カブトムシやクワガタがよくいる場所とかは知ってます。」
「それはすごい、来年の夏は教えてくれよな。」
「はい。」
「趣味とかあるの?」
「サッカーしてます、村の学校ではできなくなるのかな…。」
「大丈夫さ、サッカーチーム作ろうぜ、俺はあんましうまくないけどスポーツは好きなんだ。
大学生やプロジェクト関係でもチームを作ったり、俺たちと一緒に練習したりって話しもあるんだぞ。」
「そうなんだ、ちょっとほっとしました。
でも、ここにいる子達って大学教授の息子や娘が多いんですよね。
ぼくのレベルじゃついていけなかったらって、ちょっと心配なんです。」
「はは、そんなこと気にするなよ、テストで零点でも家の人から怒られないことになってるからな。
大切なのは小栗くんが自分の力をきちんと把握して、それを伸ばしていくことなんだよ。
人それぞれだから、まあ確かに小学生でも高校ぐらいの学力の持ち主の子も入ってくるらしいけど、気にすることないよ。」
「はい。」
「そうだ、なんかあったら俺に話せよ、学園では最高学年になるから、君らの兄貴分ってとこだ。」
「はい、お願いします。」
「じゃあ別の子とも話しとけよな。」
「はい。」

「おっ、あの子かわいいな…。」
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