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学校設立-4 [権じいの村-8]

「へ~、今度はこんなとこに引っ越すの、父さん。」
「ああ、今回はちょっと長めに住もうかと思ってるけどな…。」
「父さんの仕事の関係? ずいぶん不便そうな所だよね。」
「まあな、でもイギリスよりはましじゃないか?」
「ぼくは、イギリスにも友達いるから向こうでも問題なかったけどね。」
「そうだな、お前の方が英会話に慣れるの早かったもんな。」
「まあ、父さんの事情も解ってるし…、でも今度の学校ってちょっと変わってるって聞いたけど…。」
「今の学校はどうなんだ?」
「中学生を子ども扱いしすぎるなよって感じ、でも、そんなレベルの連中も結構いるから仕方ないのかな…。」
「たぶん省吾が自分の力をきちんと表現できたら、ここの学校では、そんなことはないと思うぞ。」
「ふ~ん。」
「さ~、着いた、ここが学校だよ。」
「木造なんだ。」
「不満か?」
「まさか、コンクリートの校舎に嫌気がさしていたからね。」
「はは、あっ、白川先生が…。」
「白川先生って…。」

「こんにちは、白川先生。」
「ああ、安江さん、こんにちは、今日は息子さんとドライブですか?」
「ええ、まあ、移住の下見という感じです。」
「あっ、じゃあ、彼は権じい学園の生徒候補なんですね?」
「はい、省吾です。」
「こんにちは。」
「省吾くん、ここはどう?」
「今住んでる所とは、ずいぶん生活が変わりそうです。」
「だろうね、やはり不安もあるのかな?」
「まあ今まで転校も何度か経験してきましたから、それ程でもありません。」
「省吾くんは今、通ってる学校に不満はありませんか?」
「不満だらけです。」
「はは、そうなんだ。」
「下らない校則、無駄の多い授業…。」
「そうか、省吾くんは権じい学園向きかもしれないな。」
「えっ?」
「う~ん、そうだな、この学校の生徒になって、何か問題があったら、俺に直接連絡してくれないかな、はい名刺、安江省吾くんだね。」
「は、はい、有難うございます、でも僕なんかが電話していいんですか?」
「構わないよ、っていうより色々教えて欲しいかな、時間に余裕があったらずっと権じい学園に居たいんだけどね、色々動いているからそんな訳にもいかなくてさ、長電話は難しいけど、がんがん報告してくれないかな。」
「は、はい。」
「じゃあ、頼むな。」
「はい。」

「父さん、名刺貰っちゃった。」
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