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それぞれの夏-3 [権じいの村-7]

「真一くん、ちょっと相談があるんだけど。」
「何ですか佐伯さん。」
「そろそろ新婚向けの家が必要になるかもしれないの。」
「えっ、誰か結婚するんですか?」
「孝雄くんと琴乃ちゃん、ちょっと後押ししてあげれば簡単に決まっちゃいそうな気がするんだけど。」
「確かに、いい雰囲気ですね、あの二人。」
「でね、孝雄くんの今のテーマは、ここの本当の住人になることだそうなの。」
「本気なら…、結婚してここに定住ということになるのかな。」
「でね、真一くんは、おしのばあちゃんって知ってる。」
「えっと…、確か独り暮らし…、息子さんたちはとても遠い所へ行ってしまったとか…。」
「そう、その、おしのばあちゃんが昨日本部へいらしてね。」
「はい。」
「もし、孝雄くんと琴乃ちゃんが結婚してここに住むことになったらって話しをずいぶん…。」
「そうなんですか、なんかどきどきしてきました。
二人がこの村の人にも祝福されて幸せになってくれたら、ぼくたちの挑戦の大きな成果ですよね。」
「ええ、それでね、おしのばあちゃん、土地も金も出すから二人が決意したら色々手伝って欲しいって。」
「もちろん手伝いますよ…、う~ん…。」
「どうしたの?」
「今までは、こちらから協力していただけませんかって、お願いばかりしてきましたから…。
こういうことで手伝いを依頼されると、めちゃ嬉しいです。」
「そうよね、後は二人の決断待ちになるのかな。」
「そうですね。」

「ところで真一くんはどうなの?」
「どうって?」
「久美ちゃんと。」
「えっ、ええまあ…、仲のいい友達ですけど…。」
「あのね、このプロジェクトに参加してくる人たちは優秀で魅力的な人も多いんだからね、ぼやぼやしてたら…、後悔することになるわよ。」
「は、はい…。」



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