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権じいの店-2 [権じいの村-6]

「ありがとうございました。
おしのばあちゃん、また来てな。」
「はいよ、え~っと西川さんじゃったな。」
「はい、店長の西川です、よろしくお願いします。」

「こんにちは~。」
「おお、久美ちゃんいらっしゃい。
何時来たの?」
「今朝早くです、お店の調子はどうですか?」
「何とかやってるよ、ただね。」
「ただ?」
「レジにはまだ苦労してるよ。」
「ふふ、普通とは違いますものね。」
「客層ボタンを押して、村の人の場合は…。
それにしても大学生たちの考えることは違うね。
物を売るだけでなく、住人の健康チェックまでやるとは思いもしなかった。
でも、本当にこの村の住人になるためには、皆さんの名前くらいは覚えて当然だから、逆に便利なのかな。」
「ふふ、がんばって下さいね。」
「ああ。
そうそう、この前ね、お客さんと話していたら、おじいさんが最近元気がないって。
それで本部に連絡したらね、すぐ学生が向かってくれて、そのまま診療所へ。
診て貰ったら病院で検査した方がいいって言われたとかで、そのまま病院まで。
結局、入院することになって。
学生たち、着替えを運んだりとかもしてくれたんだ。」
「聞いてます、ずいぶん感謝されたそうですね。」
「うん、自分の役割の大切さが分かった気がしたよ。」
「大切な仕事ですから、これからもよろしくお願いします。」
「診療所まで遠いからな…。」

「学生たちはどうです?」
「助かってるよ、ここの運営スタッフの子たちも、混んでると気軽にレジとか手伝ってくれてね。
混む時は学生ばかりだから…。
そういえば混んでくると、何の連絡をしなくても手伝いに来てくれる。」
「ふふ、レジのデータから、混む時間を予測してたり、混み具合を報告してくれる学生がいたりするのです。」
「そうだったのか、でも…、自分たちの調査研究の時間を割いてくれているんだろう?」
「みんな楽しんでやってるみたいですよ。
研究対象と考えている子もいますし。」
「それならいいけど…。」




アートガラス ふー工房
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