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ぷろろーぐ-8 [権じいの村-1]

「ただいま~。」
「あら、慶次早かったのね、源太郎さんどうだった?」
「うん、どうも話がかみ合わなくてね、お年寄りとの話は難しいよ。」
「じっくりやるしかないのね。」
「ああ。
みんなは?」
「真一くんは買出し、久美ちゃんと恵は小春ばあちゃんと一緒に村の散策を兼ねて、畑での食材確保ってとこかな。
さっきまでは掃除とお布団とかの用意をしてたんだけどね。」
「いきなり泊めていただくことになって…、どうだった?」
「それがね、部屋も多いし、お布団もちゃんとしてて何の問題もなさそう。
しかもね、なかなか出番のなかったお客様用のお布団が役に立つことになったって、喜んでみえたわ、小春ばあちゃん。」
「とりあえず、こっちは問題なしってことか。」

「はぁ~、ただいま~。」
「あっ、真一くんね。」

「お帰り真一くん。」
「は、はい、しかし、まぁ改めてここの不便さを思い知らされましたよ。」
「はは、遠かったろ。」
「はい、野菜は畑からってことで、肉と酒ぐらいをちょちょいと買ってくるつもりだったんですけどね。」
「片道の距離と所要時間は後で久美ちゃんに報告しといてな。」
「はい、ついでに自分のワンルームからコンビニまで歩いて5分ということも伝えておきますよ。」
「はは。」
「じゃあ私はお肉の下ごしらえでもしておこうかな。
慶次は?」
「うん、真一と代替案を模索してみるよ。」
「えっ? 慶次さん、だめだったんですか?」
「思ったより時間がかかるかもしれないんだ。」
「最初の調査は早目に実施するべきなんですよね。」
「ああ、俺たちがこの村に大きくかかわる前にやっておきたいし、その結果で後の方針が左右されるからな。」
「最悪はホテルですか?」
「まぁ女の子たちは元からそのつもりだったけど、本部は必要だろ、ここに。」
「はい、どこかにテントでも張ります?」
「真一くん、テントは反対よ、私たちの本気さが伝わらない気がするわ。」
「うん、場所の問題もあるからな。」
「そうですか…、慶次さん、僕、ここの地理とかまだよく分かってないから、ちょっと回って来ていいですか?」
「そうだな、案内しようか。」
「いえ、独りで大丈夫です。」
「夕飯までには帰ってくるのよ。」
「はは、僕、子どもじゃないですよ、真帆さん。」
「ふふ、あんまし遅くなると、お肉なくなっちゃうわよ、食べ盛りがいますからね。」
「えっ? そういう問題なんですか…。」
「門限は5時だな。」
「慶次さんまで…。」



DOLCE&GABBANA
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