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演奏旅行-8 [Lento 11,演奏旅行]

クラウス マンシュタインは現在世界でもトップクラスとの評価を受けている名バイオリニストだ。
その彼が初めて和音と真子のDVDを見た時は大変な感動を覚えたという。
名も知らぬ女の子がきちんと自分の演奏スタイルを確立していて超一流レベルの演奏、そこに真子の動く絵の様な踊り。
ふと気付くと感動の涙が頬を伝っていたそうだ。
そして、真子の後ろで演奏しているバイオリニストが自分だったらと思い描き始める。
どう考えても自分の方が絶対に良い演奏ができる。
すぐさまカールに電話、そして共演が決まる。
チェロもすぐ決まり、会場もザルツブルグの古城が確保された。
真子の踊りがより良い絵となるようにと。

初顔合わせも、その古城で。
和音たちは早めに着いた。
ピアノの演奏を始める和音、茂根はスケッチを、真子と川野は軽いストレッチをしたり和音の演奏に合わせて軽く踊ったりしている。
途中からピアノは古城の印象を奏で始める。
そこにクラウス マンシュタインが入ってきてしばらく演奏を聴いたのち演奏に加わる。
和音が起こしたテーマを元に、古城の印象をバイオリンが奏でていく。
二人が目を合わせにっこり微笑んだのが合図のように、ピアノはトーンを落としてバイオリンを引き立てる、しばらくするとバイオリンが抑えた演奏になり、和音は豪華な舞踏会をイメージさせる演奏にと変わる。
しばらくしてワルツに、きっかけはバイオリンが出した。
ワルツになれば真子と川野の出番だ。
真子たちが踊り終えたところで演奏も終わる。
花組メンバーから拍手が。
マンシュタインは満足そうに話しかける。
『和音のピアノも真子たちの踊りもすばらしい。』
『有難うございます私はマネージャーの長井祥子と申します、ほんとにすばらしい演奏でした、初めてとはとても思えなかったです。』
『君達は初めてでも私は和音たちのDVDやCDをずいぶん聴いたからね。
だからほんとにすごいのは和音ということだな。』
祥子はメンバーに通訳する。
もう一度拍手、和音はにこにこしている。
そこへチェリストが入ってきて、しばらくは紹介とか簡単な打ち合わせ。
そしてゲネプロが始まる。
本番まであまり時間がとれなかったから、祥子は少し心配もしていたのだが、すごくバランスのとれたピアノ三重奏がホールに流れる。


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