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中村和音第二回定期演奏会-2 [Lento 3,演奏会]

開演時間となった。
会場は、ほぼ満席、立って見てるのはLentoのスタッフたちだ。
「さて、そろそろ中村和音第二回定期演奏会、開演の時間になりました。」と真子。
「って、もう始まってるじゃない。」和音が返す。
「ふふ、今日はちょっとお客様の前で、本番前の練習をしてましたが…、遅刻した気分を味わった方、ごめんなさいね。」
「さて今回、私、和音の定演のようなタイトルになっていますが、実際は、私と柳原真子を中心としたものとなります。」
「いや~、和音が出てくれってしつこかったんですよ。」
会場から笑い声が…。
「その~、大勢のお客様の前で独りで演奏すると、コンクールで予選落ちを繰り返していた頃を思い出しそうで…。」
「そんな訳で入り口の看板には with 柳原真子 とマジックで書き足しておきました。」
会場から再び笑い声が…。
「私たちのことをご存知の方も多いとは思いますが、初めての方の為に、改めて自己紹介させていただきます。
私がピアノの中村和音です、自分でも信じられない勢いでプロの話が進んでしまって、少しとまどい気味ですが、まぁ就職活動しなくて良いからラッキーかなってとこです。
今日は、大真面目な演奏と気軽に楽しんでいただけるプログラムを用意させていただきました。
よろしくお願いします。」
拍手…。
「柳原真子と申します。
舞踊家として活動させていただいております。
和音の演奏で踊ることが多いので、今回おまけとして出させていただくことになりました。
演奏の邪魔にならないよう気をつけますので、よろしくお願いします。」
拍手…。
真子が続けて話す。
「それから一つお知らせがあります、今回の演奏会は地元のテレビ局が取材に来て下さってます。
演奏会のじゃまにならないように、と配慮していただいていますが、終了後のロビー風景なども撮影予定ですので、写るとやばい方はご注意下さいね。」
笑い声…。
「じゃあ真子、曲の紹介お願いね。」
「おっけ~。」
和音は舞台から袖へ入る。

真子が曲の紹介を始める。
「今日の始めはシューマンになります、まずはピアノソロで、クライスレリアーナです。
シューマンが愛するクララに捧げた曲ですが、和音がどう表現するか楽しみですね。
続いては、皆さんご存知の、子どもの情景です。
ここでは、私が和音のピアノに合わせて創作舞踊を踊らさせていただきます。
ただしこのプログロムは、和音の演奏が主になります。
私の踊りは控えめですが、決して手を抜いてる訳ではありませんので、よろしくご理解のほどお願いします。」
舞台袖を確認する真子。
「それでは、中村和音第二回定期演奏会、開幕となります、皆さんに楽しんでいただけたら幸いです。」
拍手…。
真子が舞台を降り、舞台ではピアノが一台、今日の主役を待つ。

ホロヴィッツのシューマン


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