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長井祥子と東沢健二 -1 [Lento 2,夏]

Lentoの事務室、健二が資料の整理をしている所へ祥子が。

「あっ、東沢さん、お疲れ様です。」
「おっす、祥子ちゃん。」
「東沢さんプロジェクトの方はどうなってます?」
「う~ん順調と言えば順調なんだけど…。」
「問題もあるんですね。」
「まあ簡単じゃないことぐらい俺にもわかっていたさ。」
「何か深刻なことでも?」
「ほんと俺ってばかだぜ。」
「どじったんですか?」
「うん、大切な姫を奪われたってとこだな。」
「はぁ?」
「ねえ、祥子ちゃん、和音のマネージャー、俺と交代しない?」
「えっ? ははは、だめよ、和音は私のものですからね~。」
「時すでに遅しなんだよな…。」
「東沢さん…ってより、健ちゃんかな?」
「おいおい、俺の姫を奪った挙句格下げか?」
「のんのん、これから一緒に和音を最高の姫にしていく仲間に格上げね。」
「ふん、姫に何かあったら俺様が承知しないからな。」
「はいはい。」

「で、何か用なの?」
「ええ、姫のLentoオーデション時の音源あるんでしょ?」
「もちろん、姫の記録は驚くほど丁寧に保管されててさ、映像も残ってるよ。」
「えっ? じやあ他の子のは?」
「それなりに残っているんだけどね、驚いたのは、最近伸びてきてる子たちの記録はきっちり残ってるんだよ。」
「さすがLentoね。」
「真子ちゃんが踊る様に仕事し始めた頃のもあってね。」
「ホールで本格的に踊り始める前ってこと?」
「前も前、さらに驚かされたのは、茂根達也。」
「えっ? 彼は画家だから…。」
「あいつの絵がLentoのあちこちをさりげなく飾り始めた頃からの写真がちゃんと残してあるんだぜ、厨房で働く姿とかなんだけど。」
「まさかプロジェクト茂根を見越してってこと?」
「その、まさかとしか思えないレベルで彼の姿を追っているよ。」
「う~ん、そっちも見てみたい気がしてきた…、でも今は私の姫の全資料に目を通しておきたくなったわ。」
「だろうな、俺も今日は時間があるから付き合うよ、まずはLentoオーデションからだね。」


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