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長井祥子と緑川真 -3 [Lento 2,夏]

「和音ちゃんのマネージャーという案も出ててね。」
「和音ちゃんのですか。」
「すでに必要な状態になってるから、この前話し合ったのですけどね。」
「和音ちゃん留学しないんですよね、あ~、したくてもできない人が沢山いるのにな。」
「その分、国内で色々な経験をして欲しいと考えていますし、海外のコンクールを目指すのも有りと考えています。」
「あの子にはマネージャー必要ですよね、ピアノ弾いてる時はぜんぜん緊張しないのに、ふふ、この前も…。」
「でしょ。」
「は、はい。」
「和音ちゃんは自分のマネージャーには君になって欲しいって。」
「えっ? ご指名ですか?」
「しかもね、祥子先輩が就職で迷っているのは、本当はLentoで働きたいけど、卒業後のLentoには自分の仕事がないって勘違いしてるからだって、白川さんも同意してみえた。」
「…。」
「もしかして図星?」
「う、梅干です…。」
「はは。」
「み、緑川ざん…。」
「うん。」
「ばたし…和音のバ、バネージャ、やりたいでず…やらぜでぐらざい…。」
「もちろん、おーけー、さあハンカチ使って。」

そこへ洗い場の大輔たちが通りかかる。

「あ~! 緑川支配人、祥子先輩を泣かせてる、祥子先輩大丈夫ですか? ぼくは何時でも先輩の味方ですからね。」
「ちょ、ちょっと待て、か、勘違いだよ、君たち。」
「大輔くんありがとう、嬉し涙だから心配しないで。」
「えっ? どういうことなんですか?」
「私はLentoの祥子よ。」
「何を当たり前なこと言ってるんですか、祥子先輩がいてLentoは回っているんですよ。」


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