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長井祥子と緑川真 -2 [Lento 2,夏]

「今、Lentoが動いていることは知っているよね。」
「あ、プロジェクトのことですね。」
「そう、一年前には考えてもいなかったことを色々やってるよ、う~ん白川さんは今のLentoを頭に描いてたのかなぁ。」
「あらっ、緑川さんでもオーナーの深さは掴みきれてないのですか?」
「無理だよ、突然『えっ?』ってな提案が出て、数分後には納得させられている…、なんてしょっちゅうだからね。」
「へ~。」
「君のこともさ。」
「えっ?」
「どうやら祥子ちゃんは就職で悩んでいるみたいだから、うちで働いてもらいなさいって、白川さんがね。」
「えっ、えっ、白川さんにそんな話したことなかった筈なのに。」
「まぁ、卒業後も君がLentoに居て欲しいと思っているスタッフが少なからず居るのも事実なんだよ。」
「えっ?」

「初音さんはねLentoのサブマネージャーに、と考えているんだけどね。」
「そ、そんな才能、私には有りません。」
「そう思っているのは君だけじゃないかな。」
「そんな…。」
「君がホールに居るだけで安心感があるんだよ、何もしてなくてもさ。」
「何もしてなくてもって、さぼってるわけじゃあ…。」
「君が全体を見ていてくれる時は、初音さん、違う仕事ができるって言ってたよ。」
「あっ、そう言えばマネージャー、私が入った頃は、ずっとホールにいたのに、最近は…。」
「ほんと、どこでさぼっているのやら、支配人の私も同様ですけどね。」
「えっ?」
「だから、君が居ない時は他の仕事がはかどらないんですよ。」
「でも、優子ちゃんに…。」
「助かってますよ、君が優子ちゃんにアドバイスしてくれるおかげで、ずいぶん楽になりました。」
「彼女、積極的だから。」
「ほんと、少しは見習ったらどうですか。」
「はい…、就職のことで悩んでる自分が…。」
「彼女は君の2こ下でしょ?」
「そうです。」
「もう、就職内定してるんですよ。」
「え~、早すぎませんか、どこなんですか?」
「もちろんLentoですよ。」
「はぁ。」
「白川さんに直談判してね。」
「はは、あの子らしい。」
「祥子先輩みたいになりたいし、Lentoで働きたい、その気持ちを持って学習するのと、何となく資格を取って、どこに就職しようかな、ということでは、ずいぶん差があるからって。」
「あの子…。」
「白川さんは2,3の条件は出したけど即座に決定された訳だ。」
「そりゃ、あの子、経済学部だから…。」
「学部は関係ないですよ、君には資質があるから後輩の目標にされるのです。」
「でも…。」


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