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河童のルゥ 壱の二 [河童のルゥ]

「ところでお腹はすいてませんか、え~と、ルゥさん。」
「ルゥって気軽に呼んでんか。」
「う、うん、やっぱり胡瓜とか好きなのかな、ルゥ?」
**まずは食べ物の話題を振ってみる、おにい。

「あんさん、わいの大好物をよくご存知でんな、パリポリパリポリの食感とみずみずしさが何とも言えまへんわ~。」
「私も胡瓜は大好物なんですよ。」
「さよかぁ~、じゃあちょっと待っとってや~。」

とん、てん、たん、じやぱぁ~ん

**庭の水溜りに勢い良く飛び込むルゥ、それを呆然と見送る、おにい。

「なあ、ぽてち、河童のルゥは水溜りに飛び込んだぞ。」
**それを聞いて頭だけ甲羅から出すぽてち。

「うん、それがどうしたの?」
「ちょっと待っとってや~、という言葉からすると、水溜りの中で何か探してるのか?」
「みみずかなぁ~。」
「おいおい、そりゃないだろ。」
「へへ、冗談冗談、何でも河童たちは水に入ると別の場所へ移動できるって言ってたよ。」
「ふ~ん。」
**河童との衝撃の出会い? の後、何かしら緊張していたおにいにとって、ルゥの帰りを待つ時間は心を落ち着かせるに、ほど良い間となっているようだ。

「それにしても河童か…、背の高さは、ぽてちが立ち上がった時と同じ10センチぐらいか…、痩せ型というか、まだ子どもなのか、でも、あの気さくな関西人っぽい口調は…、なあぽてち、ルゥのことは色々聞いたのかい?」
「少しだけだよ。」
「どんなこと?」
「移動のこととかさ、いきなり水溜りから出てきたから、どこから来たの? って訊いたんだ。」
「そっか…。」


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