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ぽっぽのぴっぽ-7 [ぽっぽのぴっぽ]

さあ~、ビルのてっぺんから出発です。
ふわふわ~、ふわふわ~。
「トンボのメガネをかけても見える物はあんまりかわんないなぁ~。」
「はは、もう少し待ちな。」
ふわふわ~、ふわふわ~。
モックは人間達が良く見える所まで下りてきました。
「あれ? モック、人間たちの色が違って見えるよ。」
「それがトンボのメガネの力さ。」
「灰色の人が多いけど赤やオレンジ色の人間もいるんだね。」
「えっ? ぴっぽ、灰色の人間はそんなに多いのかい?」
「うん、灰色じゃない人間は変わった人間なのかなぁ~。」
「う~ん。」
モックは、う~んと言ったきり、黙ってしまいました。

ふわふわ~、ふわふわ~。
ぱっぽじいちゃんは、降りるのに、いい場所を見つけたみたいです。」
「ぴっぽ、ぱっぽじいのとこに降りるぞ、ふわっとな。」
モックは何か元気がなくなってしまったみたいです、どうしたんでしょう。
「ぴっぽ、人間達はどうじゃった?」
おや、ぱっぽじいちゃんも少し元気がないみたいです。
「人間って灰色が普通なの? 赤やオレンジの人間もいたけど。」
「ふ~、ぴっぽ、トンボのメガネで見る人間の色は心の色なんじゃ、赤色やオレンジ色は楽しいことを考えている人間、灰色は悲しいこと、楽しくないこと、つらいことを考えている人間なんじゃよ。」」
「へ~、悲しいとか、つらいって、かあちゃんが読んでくれた本の中だけの話だと思ってたよ。」
「久しぶりに、ここへ来たら、灰色の心の人間がう~んと増えてしまってたんで、驚いてるんじゃ。」
「ふ~ん、そうなんだ。」
「まあ驚いてばかりもいられない、ぴっぽ、雲の命の出番じゃ。」
「うん、え~と、今、リュックから出すね。」


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